この記事のもくじ
今回紹介する本
『やせる経済学 経済合理的に「スマート」になる6つの原則』です。
ダイエットと経済学のコラボレーション、面白い着眼ですよね。ダイエットのためには食事法をどうすればいいのかとかどんな運動をすればカロリーを消費できるのかという考えに行き着きますが(本書もそれがないわけではないです)、そこに経済学の要素が取り入れられると見え方が全然違います。
本書の内容は上記のとおりです。キーとなる6つの要素は本の表紙に書かれてしまっているので、詳細読まなくていいやんと思う人もいるかもしれませんが、それを言っちゃうと経済学もクソもないのでぜひ詳細も確認されることをおすすめします。
「そうか。こうやってダイエットの罠にハマっているのか!」と社会の裏側を知れたような気になるのでダイエットするかしないかはおいといて面白い1冊です。各項では著者がどんな生活だったかも書かれているので自分との比較をするのにも使えます。
- 希少性ーなぜ毎日体重を量るべきか
- 豊かさー1日3食の神話をぶち壊す
- データーカロリーを計算するのではなく意識する
- 買い手は用心せよーダイエット業界のために時間と金を使わない
- 均衡ー変化は人生のスパイスだが、肥満の原因にもなる
- 配分するーごちそうを食べつつ痩せる
よくあるダイエット法もお金の話でプラスアルファな情報に
ここでは「毎日体重計に乗る」について経済学の知見を絡めるとどうなるのかについて紹介します。実は個人的には経済学抜きにして毎日体重計に乗るべきかどうかについては結論が出ていません。というのも痩せている最中ならモチベーションや抑止力になるのですが、一度数キロ増えてしまうとそれが数字として見えてしまって「もういいや」となる経験を何度もしてきたからです。
直近、痩せ傾向にあるのですが体重計には1回も乗ってませんでした。気づいたら痩せていた状態です。無意識にできるならそれが一番ストレスたまらないし、その意味では体重計乗らずに済むなら乗りたくないなということです。
という自分話は置いときまして、本題に戻りましょう。
本書ではこれが一番重要だとしています。その理由、関連事項が次のように解説されています。
将来の楽しみより今の楽しみ
これがお金と一緒だということです。
確かに今あるお金を使ってしまうか、投資をして将来増やした状態で使うかの天秤において前者の人はお金を貯められません、バランスは大事ですが。それと一緒で将来の痩せた状態よりも今美味しいものをたくさん食べたいというのが人間の性だと言うことです。
これの対策が毎日体重計に乗って誘惑に勝つための情報として使うというものです。
希少性、過剰な欠乏が非合理的な判断に
空腹状態と満腹状態。どちらが精神衛生上落ち着くでしょうか。「自分は空腹の方が集中できます」と言う人もいるかも知れませんが、大概の人は空腹だとなんとなく不安でしょう。
そして、こんな時に買い物に行こうものならこれを埋め合わせるために必要でもないものを買ってしまう、こんな経験をされてないでしょうか。
ダイエットするためには空腹状態はマストです。ずっと満腹だったらまぁ痩せないでしょう。そういう時に非合理的な判断をしないようにするにはそれに対抗するだけの情報、後ろ盾が欲しいもの。ここで使うのが体重計で測った自分の体重です。
・・・
1個目と一緒やん、と思ったのは自分だけではないはず。
数字のデータが強いのは事実
精緻なカロリー計算も、体重管理もやってきた身として思うのはこれです。
実現可能性はさておいて、定性的な情報(例えばズボンがキツくなってきたとかボタンが閉まるようになったとか)よりも定量的な情報の方がモチベーション維持の点では強いです。
ダイエットは究極いうと一生続けられるかどうかが大事です。だから実現可能性、継続可能性がないものはやらなくていいよと本書では言ってますが、続けられるもので、それが定量的な情報を提供してくれるのならば実践した方が絶対いいです。
まぁ、それいうたら毎日体重計乗るのだってどこかに泊まりに行ってたり出張あったりしたら無理やん!て話ですけどね。