【2022年読書レビュー】「食」の未来で何が起きているのか 「フードテック」のすごい世界

この記事では直接的に書籍の内容に触れることはできるだけ避けたうえで、読んでその内容について思ったことなどなど紹介します。

今回紹介する本

『「食」の未来で何が起きているのか 「フードテック」のすごい世界』です。

フードテックとは本書では次のように定義されています。

フードテックとは「フード」と「テクノロジー」を掛け合わせた造語で、最先端の技術を活用し、イノベーションによって食の可能性を広げようとするもの

特に興味がなくても、世界的な人口増加による食糧確保の問題は言うまでもなく、和食や地中海食への興味の高まりから魚の消費量が増えていて昔のように安く旬の魚を楽しめなくなっていたり、畜産は地球温暖化に悪いから推奨されていなかったりと食をめぐる状況はここ10年で大きく変わっているように思います。

それら課題の克服のために考えられているのがフードテックです。本書では現在進行形で開発が進められていたり、すでに商用化が始まっているものが紹介されています。

本書の構成
  • 人口増加問題に対処するための食肉技術
  • 代替食品、もどき食材
  • 食糧確保のための新しい食べ物
  • 農業を救うテクノロジー
  • 魚を育てるイノベーション
  • 外食産業のイノベーション
  • スマート調理器具
  • ヘルステック

日本人こそ知っておきたい魚の養殖技術

日本における食糧問題というと自給率の話がクローズアップされがちですが、目先困っていることというと魚じゃないでしょうか?鯖缶ブームが始まると鯖缶の値段が上がり、秋の味覚のさんまは1尾100円では買えなくなっているなど魚をめぐる状況は基本悪い側に変わっています。

漁業は他国が絡む話のため漁獲制限を設ければ良いという話でもないのが痛いところ。そこで注目すべき、注目せざるを得ないのが養殖です。

本書では以下の事例が紹介されていますが、知っていたものはありますか?一通り食卓に上がってくる種類に対しては研究開発が進んでいることを本書を通じて知ることができます。

コストは置いといてなんでしょうけど。

  • マグロ:近畿大学が1970年から研究を始めて2002年に実現、食べれる場所あり
  • うなぎ:直近では近畿大学が着手。数年以内の商用化を目指している
  • カツオ:地元大学と企業の産学連携で取り組み中。2020年春にラボレベルでの卵の孵化まで成功
  • ブリヒラ:ブリとヒラマサのいいとこ取りをした養殖魚で、これまた近畿大学が開発。すでに関東圏のスーパーマーケットでは購入可能

ちなみに、ここからは本書の内容からそれますが、なんでこんなに近畿大学ばっかりが養殖魚の研究をしているように映るのか気になりますよね。

同大学のH Pを調べてみると初代学長さんが当時の漁獲高の落ち込み程度を憂慮して「海の畑を作ろう」という思いから水産研究所を立ち上げたのが始まりのようです。

今ですら天然がいいんだ!人工的なものはだめだ!という意見をもつ方が一定数いる中でよく養殖の研究をしようと思ったものだと思います。

消費者側も変化を受け入れる必要性

この本のいいと思ったところ

  1. 食に関する最先端の変革を知ることができる
  2. 細かい話はなし!要点だけ書いている

健康やお金の話は毎日の生活に直結するので本を読まないまでも定期的に情報収集している方はいらっしゃるでしょうが、食事そのものを気にして情報収集する方ってそうそういないんじゃないでしょうか?

ですが食事は人間の基本的欲求の1つ。長期的にはなんらかの影響なり恩恵なりを受けることになります。「5年後、10年後はこうなっているかもしれない」「食べること自体はなんとかなりそうだけど、こういうものが出回るようになるのか」という心構えを持っておくことは大事であり、そのための予習本として確かに昨日し得ます。

本書の内容に関連して思ったこと

養殖魚は比較的市場にも出回っており抵抗感が薄まっていることが期待できます。その反対に本書でも紹介されている「こおろぎせんべい」のように科学的には食品として成立すると言われても生理的に受け付けられない、そんなものも出てくるでしょう。

ただここからは私見ですがあれもいやこれもいやだと、最終的に困るのは自分ないしは自分の子供孫世代です。人類の歴史として考えればきっと食べ物ひとつひとつは

原始人
原始人

何かよくわからないけど栄養が取れそうだから食べてみるか!

というノリで毒味をして食べれることがわかったものの積み重ねです。最初から稲がなってて「これはお米だ!」と思って食した人はいないでしょう。

昆虫食とか大豆ミートなど新しく登場する食品も食べたことがない人からしたら食わず嫌いかもしれませんが、それこそSDGsを意識するなら「これも食品なんだ」と選択肢の一つとして受け入れる姿勢がこれから求められると思います。

ちなみに自分はこれまで食べたことはないですが、もし市場に出回ったら食べて見たいなと思っています。

この本のおすすめ度と読むのがおすすめな人

おすすめ度は10点満点中8点です。

この本は次のような方におすすめです。食品以外にも食を取り巻くネガティブな背景に対して「まぁなんとかなるかもな」という希望を持てる内容でした。

  • 未来の食事に興味がある
  • すでに出回っている食品があったら試すためにまずは知りたい

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