この記事のもくじ
この記事では直接的に書籍の内容に触れることはできるだけ避けたうえで、読んでその内容について思ったことなどなど紹介します。
今回紹介する本
『WHY BLOCKCHAIN なぜ、ブロックチェーンなのか?』です。
まず質問を2つ。
- ブロックチェーンが何か知ってますか?
- ブロックチェーンといえば何を連想しますか?
知ってるかどうかが大きな違いで知ってる人は2つの質問、十中八九でビットコインと答えるでしょう。そういう自分もブロックチェーンはあくまで技術の一つであってビットコインがその技術をつかっているだけと知っていてもブロックチェーン=ビットコインの認識が強いです。
ですがブロックチェーンはそんなもんじゃない!社会全体が中央集権型から自律型に変わる(ビットコインがまさにそうですが)画期的な技術であるとしています。
本書ではブロックチェーンによって将来的にどんな社会が実現するか、ブロックチェーンを取り扱う経営者の立場でアイデアや事例が紹介されます。
本書の構成は以下の通りです。
- IT分野の進化ーガラケー⇨スマホ⇨5G、IoT
- ブロックチェーン技術の特徴
- ブロックチェーン技術普及に向けた課題
- ブロックチェーンによる未来の社会の姿
- ブロックチェーンの実用アイデア
ブロックチェーンの実用アイデア3例
最終章で紹介されているブロックチェーン応用候補となっている3例を紹介します。
- 医薬品の在庫販売ー小さな薬局どうしで在庫を融通できる仕組み
- テレビ視聴ー視聴状況の即時データ化。視聴者は対価を獲得
- EV充電スタンドーガソリンスタンドよりも散在し、参加主体が増える
ここからは個人的な意見ですが、この中でぜひブロックチェーンで!って思うのは医薬品の在庫販売くらいですね・・・。テレビ視聴データを吸い上げるのにブロックチェーンが登場すべきか?といえば視聴者どうしでデータ突き合わせるものでもないし、EV充電スタンドについてはどのスタンドが使われている/使われていないかは既存のシステムでもできる話です。
自分の理解としてブロックチェーンはみんなでみんなの情報を共有する(だから勝手にいじれない)ツールです。だから医薬品管理には適当でしょうけど。
それだったら圧倒的メリットには欠けますが試験採点結果の見える化(不特定多数の人が採点者となってことで結果をブロックチェーン上で管理)を大学や資格試験の透明性を上げる方向のほうが使い物になる気もします。
まだまだこれから?ブロックチェーン
この本のいいと思ったところ
- 懇切丁寧な説明
- 具体的なアイデアまで提示されており、イメージが沸く
ビジネスとしてブロックチェーンに関わっているということで業界そのものも理解できるような構成でした。
上述のアイデアが実現するかどうかはわかりませんが、使う前提での研究検討もこれからされていくことでしょうから早めに知っておくと「よく知ってるね!」と少し得意げになれるかもです。
本書の内容に関連して思ったこと
どうしても今のところはブロックチェーン=ビットコインになっています。ブロックチェーンの性質上
- 公開することでセキュリティ強化されるものが向いている=金融
- 不特定多数の”何か”が関与しているもの=物販、金融
こういったものでないと『どうしてもブロックチェーンじゃないと困るんです!』とはならないのが現状と思います。
ただこれもブロックチェーンに関する地頭のない自分が言っているだけで知ってる方はあまたのビジネスモデルをご存知なのかもしれません。
この本のおすすめ度と読むのがおすすめな人
おすすめ度は10点満点中8点です。
この本は次のような方が読むのにぴったりと思います。
- ブロックチェーン=ビットコインだと思っている
- ITのことはよく知らない
情報は多数の人が知れば知るほど価値(優位)がなくなります。まだまだブロックチェーンは一般的ではないので今のうち先取りで知っておきましょう。