【2022年読書レビュー】天才たちの未来予測図

今回紹介する本

『天才たちの未来予測図』です。


日経テレ東大学、 ご存知でしょうか? YouTubeのチャンネルの1つで最近だと選挙前に政治家を呼んで、論破されたり納得されたりする非常に面白い政治経済系のジャンルです。

本書は、その動画の中でいくつかの著名人に行ったインタビューをベースとして追加取材した情報を盛り込んだ本となっています。今回取り上げられている方々は、何かしらの分野で秀でた能力を持っています。

そんな人たちが思い描いている未来とはどんな世界なのか、非常に興味がわきますね。

本書の目次
  • 成田悠輔 「わけがわからない人間」が輝く時代
  • 斎藤洸平 資本主義から脱成長コミュニズムへ
  • 小島武仁 世界の歪みを正すマッチング理論
  • 内田舞 Withコロナ時代の「心の在り方」

どんな意見があってもいい、脱資本主義

本書は4人の著名な方々を対象としてインタビュー行っていますが、自分はその中でふたりめの斎藤幸平さんと言う方のインタビューが非常に面白いと思いました。

何が面白いかと言うと、以下のような意見です。

  • 中国やロシアが進んできた道は社会主義なようで結局は資本主義
  • 資本主義が健全なものなら今ある問題は最初っから起こらなかったはず
  • FACTFULNESSだって都合のいい情報を切り抜いているだけ

仮にも資本主義がメインの世界にあってとんでもないことを言ってんなぁと思いますよね。 しかも、その方、東京大学の準教授を勤めています。 斉藤氏が志向している世界は極端な資本主義、すなわち、格差を是正して、いろんな人が平等にチャレンジをしたり、幸せに生活できるそんな社会です。

ただ、疑問なのは、いわゆるベーシックインカムを導入するのかと思いきや、そういった意見はなく、労働時間は現状よりより減らすとか税制を変えるといった文言のみに止まっています。 労働って本来は今を維持すると言うよりは、今より少しでも良くなるようにすることが1つ目標としてあるはずです。つまりそれは成長を伴うものです。右肩上がりの成長を前提としている資本主義は否定しつつ、でも本来であれば成長に資するはずの従来の労働は否定しない

矛盾しないだろうか、とふと思った次第です。

自分は、そーゆー社会を目指しても、それこそベーシックインカムを導入しても、それはそれで人より良くなりたい、たくさんお金を稼ぎたいと言う人の活動が積極的になって格差と呼ばれるものは残ると思います。

そしてそれすらも無理やり押さえ込もうとするなら、リターンを奪うことに他ならないので「チャレンジしよう」という動機が薄れてしまうと思います。「お金では買えない価値はある」というのはそれこそ一部の都合のいい部分を切り取った解釈だと思います。

自分はゆるーくても、資本主義賛成派です。

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