この記事のもくじ
まえがき
今回紹介する本
『守ろう!みんなの東北 3人口減少とお祭り編』です。
本書の概要
これでシリーズ第3弾。今回は人口減少とお祭りに関するお話です。人口減少とお祭りは切れない関係にあります。人口減少自体は町の衰退に直結しますし、その結果として元々あったお祭りがなくなることになります(どこかが続けてくれるなら話は別ですが)。
こちらはいつもお世話になっている総務省統計局のe-statにある日本の統計ー都道府県別人口と増減率から作成した地方別の人口増減率です(新潟は関東、東海3県は中部としています)。
一目の通り、東北がワーストです。人口減少は国全体のトレンドなので減ってることは仕方ないとして他の地方より減少率が大きいってことは相対的に他へ流出している割合が大きいってことになります。自分も東北に住んでいたのを仕事を理由に関西へきた時点で同類なんですけどね。
シリーズの中でも本書については東北に興味がなくても読んでみたらいいかなと思います。人口問題について解説している新書を読むよりもイラスト付きなので頭に入ってきやすいですし。
- なまはげと東北の鉄道
- 東北を走る新幹線
- 東北地方の人口推移
- 人口減少時代のまちづくりースマートシティとコンパクトシティ
- 活気ある町のために必要なこと
- そこに住んでみたいと思わせるお祭り
住みたいと思わせる街の要素
東北地方は夏に全国的に有名なお祭りが立て続けにあります。その時は何十、何百万人と観光客が来てくれるわけですから全く魅力がないかといったらそんなことはないと信じています。しかし本書で指摘されているのは
- 観光客は祭りが終わってしまうといなくなってしまうこと
です。コレは当たり前の話です。東北に限りません。大事なのは終盤で再びこれに関する記述があって
- 参加や体験がしやすいお祭りをやれば「お祭りを盛り上げるほうに回りたい」=そこに住んでみたいと思ってくれるかも
ということ。自分も地元のお祭りに携わっていた身からするとその通りだなぁと思うところがあって、例えば盆踊りの類で観光客が何を楽しみにしてるかってただ見るだけで終わりではなくて自分もその輪に混じれること。
見るだけを悪くいうつもりはないのですが、コンテンツの魅力を最大限感じるには実際に経験体験してなんぼです。お祭りは年柄年中するわけではないので、その時だけ体験したとて定住してくれるかというと動悸が少し弱い気がしますが、もう少し考えを拡張して実際の生活に近い環境を1週間体験してもらう(住まいは空き家を市町村が借り上げておくなど)ような企画はあったらいいんだろうなと思いました。
あとがき
まずは来てもらう、そのあと定住
そうはいうものの1度は来てもらわないと話が始まらないのでいかにして来てもらうかが超重要です。
自分はそこに関して一人の東北好きの端くれとして発信を続けることで貢献したいなと思ってますし、何より戻れたらベストだなと思ってます。
夏は涼しいし(ここ結構ポイントでかい!)、自然豊かだし、県庁所在地なら必要なお店は揃ってるしおすすめだらけです。どんどん都会じゃないとできないことって減ってきてますし強いていうなら地震のリスクがありますが、それは他の地方も一緒。なんなら定期的にくるのがわかっている分それに即したまちづくりになっているともいえますので1人でも多くの人が(具体的には都会から)東北に行ってみてほしいです。