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まえがき
4月から変わった楽天証券のSPU条件
変わった、というよりは改悪したという表現が正しいですが楽天証券の利用で獲得できるSPU (スーパーポイントアップ)の条件が以下の通りとなりました。
+1倍を維持するための金額がポイント込みで500円から60,000円になっただけでも改悪なのに2つの商品(投資信託と米国株)両方を買わないといけなくなったことも改悪です。自分だったら今回は購入金額の条件を上げるだけにして、米国株の条件は1年後2年後にしましたかね。まぁ、他のSPU対象サービスに比べて楽天証券の条件は緩すぎたとも言えます。
この改悪で影響を受ける人はかなりいそうですね。
- 元々の投資金額が30,000円未満で追加する余裕もない⇨+1倍が丸々消える
- 〃が30,000円以上だけど米国株には投資していない⇨+0.5倍が消える
つみたてNISAの満額は月あたりで33,000円(厳密には33,333.333・・・・円ですが数字の並びが嫌いなのでそうは言いません)。この枠いっぱい投資できているか否かが+0.5倍を死守する目安となります。
米国株の購入にもトラップあり
投資余力がある人(例えば毎月10万円くらい投資できている人)であれば「今までは全額投資信託に回していたけど、これからは米国株にも振り向けようかな」と考える余地があります。
そう。余地はありますが、そのような選択が合理的かどうかは別問題です。
ということで今回はどこにでも出回ってそうな情報ではありますが、
米国株購入によるSPU達成を考える上での注意事項
これをおさらいしておきます。
米国株購入でSPU達成を目論んでいるなら気をつけたいポイント
手数料無料のETFは対象外
楽天証券のHPから見れるSPU詳細情報画面でもこのように明記されています。
9銘柄、とありますが実はこれすら古い情報です(更新しとけよって思いますよね)。これを書いている4月5日時点ではこうです。
一部抜粋の形となっていますが、手数料無料ETFの対象が拡大して同時にSPU対象からも外れると書かれています。もし自分がどうしても米国株の+0.5倍を狙うなら以下のいずれかにするつもりでした。
- QQQ⇨最近「レバナス」なんかも流行っているナスダック連動のETF
- SPYD⇨とにかく高配当といえばコレ。高配当といいつつS&P500の中だけで選ばれているのが安心
- VYM⇨トータルリターンを取るならコレ
- HDV⇨財務健全性が○な企業が選ばれるというコンセプト。配当利回りはSPYDとVYMの中間
はい、このうちの半分が潰されました。俯瞰して考えると人気とされているETFが無料で買えることの方がメリットを享受する人が増えるので喜ばしいですが、とにかくSPUのことだけ頭にある人からしたら選択肢が減ったように感じることでしょう。
対象の商品であれば購入時の手数料がかかる
別にETFじゃなくても良いとはいえ、じゃあ個別株買いますか?というとそれは人を選びすぎます。結局ETFから選ぶ形になるでしょうし自分でもそうします。
では対象商品を買うとして、買い付けにはその商品の価格分だけお金を出せばOKかというと、NOです。OKなパターンが上記の手数料無料ETFなので。
米国株を楽天証券で買い付けるなら以下のコストがかかります。
- 為替手数料・・・1ドルにつき25銭(手数料無料ETFでも共通してかかる)
- 購入手数料・・・購入価格の0.495%(ただしざっくり50万円以上の買い付けをするなら22ドルで固定)
これが元々SPU対象になる商品を買っていて「たまたま」「結果的に」30,000円以上をポイントも使って購入して+0.5倍になりました!というならまだ良いんです。
今まで買ったこともないのに無理に購入して手数料を払うことになったら30,000円の0.495%で大体150円の負担です(厳密には手数料を抜いた分が購入余力扱いされる、はず)。SPUの恩恵で元を取るなら税抜ベースで30,000円以上使わないといけません。よっぽどヘビーユーザーじゃないともとすら取れません。
こういう本末転倒な利用方法は兎にも角にもお勧めできないですね・・・。
そもそも自分の目的に合った投資商品か否か
上記と言いたいことは一緒です。
全世界株式1本で投資するんだ!というスタンスの人がSPU欲しさに無理して米国株を購入するのはナンセンスですし、インデックス投資にこだわっている人が欲しくもないのに高配当ETFを買うのもまた悪手です。
入りもしないものにはビタ一文も出すべきではないですね。最もETFを買ったとしても単なる無駄遣いで終わるわけではなくて、将来的に資産価値が上がる可能性は秘めていますが。
あとがき
どうしても買わねばならんなら
そもそもどうしても買わないといけないことなんてないのですが「どうしても」ならVYM一択ですね。程々の配当利回りと程々のキャピタルゲイン、他に選択肢が思いつきません。
ただそれも定常で買いたいかと言われたらVOOで十分です。手数料はいらないし、1%ちょいの配当ももらえるし文句がありません。
いつどんな時でも目的と手段があっているかどうか見定めてサービスは利用したいですね。SPUも然りです。