この記事のもくじ
まえがき
この記事の位置付けは以下の記事の2022年版のようなものです。
株式のみに特化して先進国と新興国でどうか、地域別で見てどうかという評価はこちらの記事で紹介しています。ここでは国分類・地域とは別の分散投資のための因子として使われるアセットクラス(株式・債券・不動産・ゴールド・暗号資産)の間での相関係数を評価して、別のアセットクラスに投資することが分散になるのかどうかを見ていきます。
2022年の値動き
採用した指数
以下の通りです。なるべく地域影響が出ないように株式・債券・不動産はアメリカ市場のものを選びました。
採用したインデックス
- 株式:S&P500連動ETF(VOO)
- 債券:ブルームバーグ総合債券指数連動ETF(BND)
- 不動産:ダウ・ジョーンズ米国不動産指数連動ETF(IYR)
- ゴールド:金現物連動ETF(GLD)
- 暗号資産:ビットコイン
2011年以降の値動き
Investing.comでデータを取れる範囲でできるだけ長くとってきました。本当は指数そのもののデータを使いたいんですけど、割と連動ETFのデータはあるのに指数そのもののデータがないってことがあるのが玉に瑕(たとえばVTIは2002年からデータ取れるのにベンチマークであるCRSP USトータルマーケットインデックスは2004年からしかないみたいな)。
ビットコインだけ縦軸は右側です。いかにバグったリターンかがわかります。
ゴールドは安定してます。さすがは資産価値保存に使われるだけあります。
2022年の値動き
相関係数の算出はこちらのデータでおこないました。週ごとの終値をプロットしています。
相関係数の算出結果
こちらの通りです。
やはりというか期待通りというかゴールドとそれ以外は相関係数が小さめです。今の環境だと金利が上がれば
- 株式、債券:リスクを抱えてまで持っておく旨みが減る(リスクプレミアムってやつ)
- 不動産:ローンの金利も上がって家を買ってくれる人が減る
- ビットコイン:まだまだデジタルゴールドっぽさがない
ということで連動せざるを得ないので値動きが似たようになるのは仕方ないかと。ビットコインはもう10年くらいしたら値動きの幅が小さくなってデジタルゴールドになってくれるのではないかと期待しています。
自分なら絶対しません。
VOO | BND | IYR | GLD | BTC | |
VOO | ー | 0.86 | 0.92 | 0.66 | 0.85 |
BND | 0.86 | ー | 0.87 | 0.64 | 0.83 |
IYR | 0.92 | 0.87 | ー | 0.73 | 0.86 |
GLD | 0.66 | 0.64 | 0.73 | ー | 0.76 |
BTC | 0.85 | 0.83 | 0.86 | 0.76 | ー |