この記事のもくじ
この記事では直接的に書籍の内容に触れることはできるだけ避けたうえで、読んでその内容について思ったことなどなど紹介します。
今回紹介する本
『諦めの価値』です。
筆者である森博嗣さんの経歴が異色ですね。
- 名古屋大学(日本トップクラスの旧帝大の1つ)で准教授だった⇨安泰なのに・・・
- 小説家として一旗上げて・・・
- 大学も小説家もやめてのんびり生活
特に大学の職をすっぱり辞められるのはすごいと思います。准教授まで至ると他の大学に移ることはあっても晩年まで続けているかたのほうが多いイメージだからです。
書籍の構成
本書は「諦める」という一般的な悪いイメージに対して筆者がどう思っているかを(出版社の編集者に頼まれてしぶしぶ)書いた本です。
- 夢の実現における諦め(夢の実現のためには実は種々諦めている)
- 諦められない悩み(人生相談コーナー)
- 何を諦めるべきか(目標自体?それとも目標を達成するための手段?)
- 諦めることが価値を生む条件(無駄になる諦めと後々価値になる諦め)
- 諦めるときのルール(どんなときは諦めたらいい?)
- 生きることは諦めること(生きるのを諦めた瞬間が死)
- 変化を選ぶ生き方(諦められないと思っているものを諦めないと変化は生まれない)
- 他人に期待しない生き方
書籍の気になった内容を一部紹介
本書で面白いと思ったのは2章の人生相談コーナーです。筆者に対して寄せられた質問に対して遠慮なしにズバッと斬っているさまはもはや潔いとすら感じてしまいます。
- 結婚しない≠孤独、死ぬときは誰でも一人
- 絶望するのはできることを全てやりきってから
- 諦めることは悪いことではない、最初から諦めたほうが最善だったこともありえる
- 夢に向かって行動できている人は仮に叶わなくても自然と諦めどきがわかる。わからないから他人に質問して諦めどきを伺っている
大概の質問に対する一言目が「言っていることがわからない」とか「それの何が問題?」とかな〜り冷たい印象ですが、いい意味で諦めることを自然にやってきた筆者からすると質問者の態度がたぶん気に入らんのだろうなと思います。
というのも質問者の態度はおおよそ
- やりたいこと、理想がある
- でもそこには到達できなそう(行動してすらないけど)
- どうすればいい?
といったものなので「自分でいいと思えばそうすれば?」とか「ちゃんとしてたらわざわざ質問にしこない」という言葉が回答に入ってくるのもまぁ妥当かと思いました。
感想などなど
この本のいいと思ったところ
- 読み手に対する遠慮がない(これも諦め?)
- ”普通”に生きてると忘れがちな視点が含まれている
- 誰かに理解して欲しい
- こうあるべきだ
なものいいなのは筆者が読み手に対して理解してもらうことや共感してもらうことを期待していないことの裏返しじゃないかと自分は思っています。
本書の内容に関連して思ったこと
『諦めも肝心』とは言いますが、どうしてもいいイメージを持って使うことはないように思います。諦めると言うと具体的にはあるゴールを放棄するとか理想を捨てることなので。
でもこれまでを振り返ったときに諦めることが悪かったと言ったらそうでもないです。
諦める時は諦めるだけで終わりではなくて何か新しい目標を設定するに伴って従来の目標なり夢をあきらめてきた(少なくとも自分はそう)なので結局は諦め方がどうなのかによって後々後悔するしないにかかわってくるかと。
本書でも書かれていましたが諦めること=無駄ではなくて然るべき条件で諦めたならそれは長期的な利益を生むと言うのはその通りだと思います。
この本のおすすめ度と読むのがおすすめな人
この本は次のような方が読むのにぴったりと思います。
- 諦め癖があるかた
- 決断力のないかた
決断力がないってことは何かをする、諦めるの選択も円滑にできていない、それで困っていることもあろうかと思います。本書を読めば諦めることは悪くない、スパッと選択することも長期的にはありなんだと思えます。
すぐに行動の変化はなくても何度も読んでいくうちに考え方は確実に変えられると思います。
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以上でおわりです。最後までお読みくださりありがとうございました。