物価と時給から見る、生活費の安い県と高い県

この記事はこんな方向け
  • FIREを達成したあとは生活費を落とすために物価の安いところで生活したいと思っている方
  • 日本国内での物価の差を知りたい方

はじめに

あなたは現在どこに住んでいますか?

県までは言いませんが、近畿です。

東京は物価が高いとか田舎のどこどこなら卵が10個入りで100円しかしないよ!みたいな話をしないでしょうか?また、大学生だと都会に行った方はコンビニでも1000円なのに田舎の方だと800円だったみたいな違いもあるでしょう。

家賃は住む場所(同じ県や市でも駅近かどうかみたいな条件)でガラッと変わるのでイメージがつきやすいかと思いますが、それ以外についてはどうでしょうか?

自分は正直イメージが湧きません。今年はよく旅行しているのでその機会にスーパーに立ち寄って値段の相場感を見ているのですが、安売りでな限りは

  • 卵10個入り:198円
  • 鶏もも肉100g:48円

みたいな感じで家賃以外ってどこ住んでも一緒じゃない?って思っています。

そこで今回は、自分の予想が正しいのかどうかの検証として

  • 都道府県別の最低時給
  • 都道府県別の物価の違い

について紹介します。今後生活費を下げるための移住を計画する場合の参考情報になると思うので最後までお付き合いください。

都道府県別の最低時給は?

まずは時給から見ていきます。もしA県と比べてB県の物価が倍だったとしても時給も倍なら生活にかかるお金の負担=働かないといけない時間という意味では同じなので重要な情報です。

2つの最低時給
最低時給には都道府県で定める「地域別最低時給」と業種単位で定める「特定最低賃金」があります。今回は地域別最低賃金を使っています。

以下、2021年10月から適用される最低時給を厚労省のHPから引用し、比較のために棒グラフにしました。全国平均は算術平均で算出したものをプロットしています。

なんとなく予想どおりですが、都市部ほど高くてそれ以外は横並びといった分布です。グラフではわからないので全国平均、ベスト5、ワースト5を紹介します。

  • 全国平均:872円
  • ベスト5
    • 東京都:1041円
    • 神奈川県:1040円
    • 大阪府:992円
    • 埼玉県:956円
    • 愛知県:955円
  • ワースト5(2位タイが多すぎて5じゃないけど・・・)
    • 沖縄県、高知県:820円
    • 岩手県、鳥取県、愛媛県、佐賀県、長崎県、熊本県、宮崎県、鹿児島県:821円

時給だけ見れば都市部で働いた方が少ない時間でたくさん稼げるので生活するには良さそうですが、もちろんそう簡単に事は運ばないものです。

都道府県別の支出状況は?

総務省の2021年9月17日発表資料および総務省統計局(e-stat)から2020年の結果を引用しています。

「総合」の集計結果

「総合」とは食費や住居費など込み込みの評価のことです。各費目での支出金額自体は異なるので総合の指数を出す際には各費目での支出金額に応じた「加重平均」で算出しています(加重平均のことは自分で調べてみてください)。

全国平均を100とする相対的な値として都道府県別に算出されています。

時給のときと同じく高い順に5つ、低い順に5つ紹介するとこうです。1位は東京都で105.2、47位は宮崎県で

  • 上位
    • 東京都:105.2
    • 神奈川県:103.2
    • 京都府:101.6
    • 千葉県:101.0
    • 埼玉県:100.6
  • 下位
    • 宮崎県:95.9
    • 群馬県:96.7
    • 鹿児島県:97.2
    • 奈良県:97.3
    • 福岡県:97.4

上位と下位で比べると1割くらい物価にギャップがあることになります。みなさんはこの結果どう思いますか?自分にはしっくりきません

東京などの都会は最下位よりも1.2倍ほど時給で稼げるが物価は1.1倍しか高くならないというなら都会に住む方が短い時間で生活費を稼ぐという点では有利なはずです。でもそんな話は聞きません。

誤解してほしくないこと
都会なら情報がよく入ってきたり多方面へのアクセスがいいから都会に住んだ方がいいという意見はあると思いますが、今回はそういう観点では比較していません。ご了承ください。

で、思ったのはこの物価指数の中には

娯楽や教育といった地域がどこかではなくて個々人もしくは家庭のライフスタイルの考え方に支出額が依存する費目も(当然ですが)含んでいるから感覚の物価差とずれているのではないか

ということです。

生活必需な部分のみ抜粋した場合の集計結果

なので独断で以って10分類からなる総合物価指数のうち、生活に必ずいるけど地域によって差が出てしまうと思われる項目=食料、住居のみピックアップして評価しました。結果はこちらです。

個人的な意見ですが、これでようやく実態に近いかなと思っています。総合の時と同じく上位と下位を紹介するとこうなります。

  • 上位
    • 東京都:110.0
    • 神奈川県:104.5
    • 千葉県:102.7
    • 福井県:102.1
    • 山形県:101.0
  • 下位
    • 奈良県:94.3
    • 宮崎県:94.5
    • 長野県:95.0
    • 福岡県:95.4
    • 秋田県:95.5

さっきよりは実態を評価できてるかなという気もしますがどうでしょうか?

少ない時間で生活費を稼げる都道府県は?

ということで食料と住居から出した物価指数を時給で割った数字(一応数字の次元は時間ですが、実際とは異なる)でいくら働かないといけないのかを定量的にみてみます。結果はこちらです。

う〜ん、結局都会のほうが値が低い=少ない時間だけ働けばOKという結果になりました。全然実感あわない・・・。

やって気づいた評価のずれ要因

ここまで書いといていうことじゃないんですが、持ち家の場合はそもそも評価から除かれていました。なので持ち家でローンを払っている人の出費が加味されていないことになるのでそりゃ実態とあわんなと。

同じ持ち家のローン払いでも敷地面積などの条件が同じなら地方の方が地価が安い分、出費は安くなるのでもう少し正確な評価になるかなと思います。

機会を改めて別の評価方法を試してみます。

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