この記事のもくじ
今回紹介する本
『にっぽんの鉄道150年 蒸気機関車から新幹線、リニアへ』です。
2022年は品川〜横浜に鉄道が開業してから150年の節目です。JR東日本が管内全線のみならず周辺の私鉄(三陸鉄道とかIGRとか)までも乗り放題の150周年記念パスを発売したことやYouTube動画を出したことが話題になりました。いやぁ、乗りたかったなぁ。
本書はその150周年という節目を迎えた日本の鉄道史の色々を紹介しています。電車に興味がない人からしたらなんの実にもならないでしょうけど、乗り物としての鉄道が好きな自分にとってはど真ん中ストライクな1冊です。
- 蒸気機関車の誕生とその盛衰
- 国鉄時代からの高速鉄道の夢
- 電気鉄道が私鉄を躍進させた
- サンロクトオ、ヨンサントオ
- JRと青函トンネル、瀬戸大橋の開通
- 寝台特急列車の栄枯
- 豪華列車、観光列車の躍進
- いまはなき路線の数々
- きっぷの変遷をたどる
- 鉄道ミュージアムを訪ね歩く
- 鉄道の進化は止まらない
ここまで進化した”きっぷ”の歴史
JR東日本がQRコードによる乗車サービスを開始するというニュースが出ておりましたけれども、これまで切符はこれだけの変遷を辿って現在に至っています。ちゃんと知らなかったので科学技術の発展の凄さと合わせて「へぇ!!」と感心してました。
- 開業初期(明治時代):駅の窓口のみで販売
- 1926年:東京駅と上野駅に入場専用(推定)の自動券売機を導入
追って最低区間(+アルファ)範囲に対応するも普及に至らず - 1960年:優等列車の指定券予約システム「マルス」の導入※今も使われてます
- 1966年:多種類の切符を販売できる紙形式の切符券売機を導入(それまでは硬券だった)
- 1968年:壁に嵌め込まれるタイプの券売機が導入。対応紙幣や購入区間などが充実
- 1985年:磁気式プリペイドカード「オレンジカード」の導入
- 1991年:オレンジカードの進化版、イオカードの導入
- 2000年:各社共通のパスネットを導入
- 2001年:Suicaの導入(1994年から試験していたそうです)
今は2022年なのであと4年で自動券売機の誕生から100年ということになります。100年の時を経て、入場用にしか券売機が使えなかったのが、もはやオンラインで、しかもQRコードをかざすだけで電車に乗れる時代。
素晴らしいです。
乗ってくれる人がいてなんぼ
よく電車に乗る人からしたら嬉しい発展ですけど、当然ながらこの発展にあやかって電車移動を楽しむためには自分たちが電車を積極的に利用して鉄道会社が存続できるようにしないといけません。
もうほんとに何回いっとんねんて話ですが、自分は混雑も招くわ温室効果ガスも撒き散らすわな自動車は好きじゃないので電車なりバスなりの公共交通を軸とした生活に日本全体がなってほしいと思ってます。そうしないと次の周年記念は無くなってしまうでしょうし、ひいては公共交通自体が消えてしまいます。
消えそうになってから散々っぱら自動車を使ってきた人たちが「公共交通を存続してくれ」て言われても遅いんです。