【別のところを批判すれば？】”FIRE卒業”の盛り上がり

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まえがき

まさかFIREという言葉がこれほど情報媒体で取り上げられるようになるとは、ですね。自分も大して先取りしたわけじゃないですけど、資産形成に関する勉強は２０１９年から着手していたので全体に比べたら早い方だと自負しています。

このニュースの発端はこのツイートです。テレ朝が取り上げたのは１１月も末のことですが、このツイートは１１月１日なので割と長期間に渡って”Financial Independence Retire Early”がFIRE（炎上）しちゃってますね。

どう炎上しているかというとこういう意見がネット上では散見されるからです。

卒業なんて言ってるけど、要はお金がなくなったんでしょ
たかだか１０００万円とか２０００万円でFIREはできないでしょ

うん、まぁFIREへの批判という括りで言うと今に始まった話じゃない気もしますけど。

このネットニュースに関して個人的に申し上げておきたいこと

そもそもFIRE≠仕事をしてはいけない

FIREのRetireの目的語がなんなのかによって意見が別れてしまっていると思います。「好き嫌いよらずに、とにかく金銭を得るような行為なり仕事をすること」を目的語とするなら今回発端となった方の行動はFIREからは外れますよね。REを満たしていないので。

他方で「嫌いな仕事、嫌いな職場」を目的ごとするならこのかたは少なくとも引き続きREを満足しています。やりたくてやる仕事なので。

よって、働いているから一概にFIREじゃないと言う批判は不適当でしょう。そんなこと言ったらサイドFIREとかセミリタイアとか言われているやつはガッツリ働いてますし、生活費の一部を労働から確保している時点で「FIRE」という言葉を使ってますが、思いっきりFIを満たしていない点でFIREじゃありません。こちらに対しても「サイドFIREなんてFIREじゃないだろ！！」という批判がセットであって然るべきですよね。

それにやりたいことが結果的に仕事になる方もいるかもしれないのに、それもダメなんでしょうかってことですよ。

仕事をし始める≠資産が減ってFIじゃなくなった

発端となった方に関しては追ってこのようなツイートをされています。

つまりFIじゃなくなったから働くことにしたわけではありません。冒頭に取り上げたニュースの中ではFXでお金を溶かしてお金がなくなった方が取り上げられており、こちらは「何やっとんねん！」ですが、あんぱんFIREマンに関しては批判される筋合いはないですよね。

２５年分の資産＝４％ルールを適用できるだけの資産を維持しているなら立派なFIです。

批判するなら働き始めた方ではなくて・・・

ここが一番お伝えしたいところです。

この記事では働き始めたことをリタイアではないと解釈し、資産が減ったことに対して経済的自由ではないとして批判されていますが、批判するところはそっちじゃないと思うんです。

自分はREの目的語を「嫌いな仕事、嫌いな職場」と定義しているので、この前提に立って皆さんFIREしたいですかと聞いたらほぼ全員がしたいというでしょう。その上で好きなことを仕事として続けるのか全く働かないかは自由です。だから本来的には「FIREできてよかったね」「FIREの状態を維持できるように頑張ってね」という前向きな反応があって然るべきではな以下と思うのです。

そして、「なんで働き出したんだ」みたいな批判ですが、もしそれを言うんだったら「なんでリスク資産の価値が目減りしても大丈夫なように現金を別で用意しておかなかったの？」みたいな批判をする方が建設的だと思いませんか。

４％ルールは暴落も加味して機械的に一定の率でリスク資産を取り崩した場合の資産寿命を評価しているものになります。つまり、２５年分の生活費の資産は全てリスク資産であることが前提です。なのでひとまずFIREを目指している方も現金は差っ引いて株式なり債券なり、はたまた暗号資産なりで２５年分の資産を蓄えるべく日々の生活に注力されていることと思います。

が、全部リスク資産で保有しておいて「FIRE達成したぞ！」となってもやはり精神衛生上は微妙ですよね。となると１年間の生活費×２５のリスク資産に加えて数年間やり過ごせる現金は持っといた方が安心です。

そういうくらいなので自分自身のFIRE計画もこんなもんになってます。