【2022年読書レビュー】その働き方、あと何年できますか?

今回紹介する本

『その働き方、あと何年できますか?』です。


現在、日本では「働き方改革」ということで男性でも育休を取りやすくなったり(取ってちゃんと育児しているかどうかはおいといて)、年休取得について最低5日という義務が課せられたり(これも導入前と比較して年間休日を5日分けずるというクソみたいなことをしている企業があることは置いといて)と制度面は徐々に整備が進んでいる印象です。

では、その働き方改革を通じて自分が思い描いている生活になるのか??NOだといっているのが著者です。人によっては薄々感じ取られているかもしれませんし、本書に書いてあることの一部は既知だったので「やっぱりそうか」が自分の感想ではありますが。

本書の目次
  • 生産性が向上したらあなたの「給料」は上がるか?
  • ぼくらが目指してきた「正解」が消えた
  • なぜ、ぼくらが「仕事の目的」を失ってしまったのか?
  • なぜ、「熱意あふれる社員」の割合が5%なのか?
  • ぼくらの働き方は誰が決めるのか?
  • こんな時代だから、フロンティア・ニーズがある
  • やりがいなき時代に「自己生産性」を上げる
  • よいシナリオを持てば、今が変わる

現在の「働き方改革」のその先

皆さんは今の働き方改革が十分に進んだ暁にはどんな未来が待っていると思いますか?年休を好きな時に取得できる、残業しないで今よりも給料が増えるなど・・・。

著者は次のように指摘しています。

  • 仮に生産性が倍になっても給料は増えない
  • 早く仕事が終わったら、それだけ新しい仕事を詰め込まれるだけ
  • 日本企業は「従業員が働きながら生活できるだけ」のぎりぎりを狙って給料を提供している

特に3点目は認識しといた方がいい意見です。自分はこれを事前に見聞きしたことがあったので「やっぱりそうか」としか思いませんでしたが。まさかこんなふうに決めているなんて思いませんよね?

日本の場合は成果報酬制ではなくて人件費=固定費=経費として給与が支払われているので、いくら成果を残そうがその人だけ給料が2倍3倍になることはありません(ボーナスとかで数%くらい差がつくことはあるかもしれませんが)。

日本はみんな一緒がいい、平等がいいという考え方がどこかしこに広まっていますが、完全に悪い方向に働いていると言わざるを得ません。

どうせやるなら企業のためではなくて自分のための改革を

本書では「企業生産性」「自己生産性」と区別した生産性の表現をしています。察しの通り、個人個人が追求すべきは後者です。前者を伸ばしても喜ぶのは勤め先の企業だけだし、かといって給料が伸びるわけでもありません。

自己生産性を上げるための要素を3つに分割して説明されていますがここでは割愛します。

近年は働く目的を「収入を得るため」と回答する割合が増えているようですが、自分は全然それでいいと思います。企業は人材を人財とか呼んでおいて、要は企業の利益維持拡大に寄与してくれれば極論従業員の幸福度がどうなってるかは知ったことではないのです。

であれば個人は個人で企業を踏み台にしても悪く言われることはないでしょう。あくまで自分のより良い人生のために企業で働くならどう働くか、企業という枠組みから離れるならどう働くかを人生100年時代では考えておかなかければなりません。

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