【2022年読書レビュー】デジタル社会の地図の読み方 作り方

まえがき

今回紹介する本

『デジタル社会の地図の読み方 作り方』です。

本書の概要

旅行に行くときや校外学習、移動する時など様々な場面で地図にお世話になっていることでしょう。地図なんて使わないという方は全ての道を暗記されているかはたまた思うがままの道を突き進んでいるかのどちらかではないかと思います。

これまで地図というとるるぶとか観光案内図といったアナログ形式の媒体でもって利用していたわけですがここにもデジタル化の流れがきているようです。少なくとも自分のような末端の民はGoogleマップを使ってますし、今時は観光マップや旅行ガイド本も電子版が購入できるので印刷された地図を携えて移動することはほとんどなくなりました。

本書では地図の基本的な役割・位置付けに始まりデジタル化が進む現代における地図の活用方法、作り方を解説しています。ぶっちゃけ自分はあまり地理が好きではない(だから高校では日本史履修)のですがデジタルという文字につられました。

本書の構成
  • 地図は人と世界をつなぐ存在
  • 作り手と世界の繋がり
  • 読み手と世界の繋がり
  • 地図の世界のIT革命
  • 地図の応用的な活用

デジタル化による読み手の地図利用の変化

広がったようで狭まった地図の世界

2000年代、2010年代生まれだともはやカーナビすら古い存在に移るかもしれません。「Googleマップさえあれば十分でしょう」と。自分はアラサーということでまだ小さい頃はカーナビがスーパーハイテクに思えてましたし、それこそガイドマップをみながら

「自分はどこにいるんだろう」「目的地に行くには〜〜〜号線をまっすぐ進んでどこどこで右折で・・・」と地図と目に映る景色を睨めっこしながら現在地を確認しつつ移動するのが常でした。


今はどうでしょうか。自分が行きたい場所を検索するとこんな感じでスマホやタブレットの画面に表示されますよね。ピンポイントで目的地が表示されますが、「引き」ではないのでみている範囲は非常に狭いです。

そして、道案内機能を使いながら移動している場合でも大概の方は現在地周辺だけ表示されるような縮尺で利用してませんか?なんならマップ上で目的地までの推奨ルートが表示されているので極端な話、目をつぶってても案内ガイドに従いながら動いてれば到着できちゃいます。

これに対して著者は「世界を広い視野から見渡す習慣が失われてしまう恐れがある」としています。確かにその通りだと思います。紙の地図なら拡大図があるのって都市部や有名な観光地周辺くらいであとは俯瞰図くらいのスケールなのでまるっきり違います。

また「グーグル効果」というオンラインで見つけられる情報を記憶しなくなる事象も紹介されていました。正直自分も自覚はありますね・・・。覚えなくても済むものは別に記憶しておく意味があるとは思いませんが、最低限の着想や考えに至るための情報まで記憶しなくなるとこれは問題。気をつけます。

あとがき

読み手側にもリテラシーが求められる現代

著者は3章のところで地図を正しく理解する方法=騙されない方法についても紹介しています。例えば

  • 地図記号の理解:これは実生活上ではそんなにいらないかも
  • 地図の向き:最近のものは北が上だけど、別にそんなルールはない
  • 地図の情報:作者の意図であえて載っていなかったり、作製の都合で実物と縮尺があっていなかったりする。例えば不動産や観光名所などのアクセスマップなんかは便利っぽいことを主唱するために明らかにスケールを誇張した図になっている

こんなところです。アクセスマップは敢えてそうしてるんだろうなという朧げな理解をしていたので、まさかあれで騙される人なんているのか?って思っちゃうのですが、いるんでしょうね。

個人の意見として地図には細かい数字が出てくるわけではないので何かの統計資料のように「前提条件は?」「データの期間は?」「算出式は?」「除いたデータはない?」など考える必要がないからそんなにリテラシーっているかと思っていたのですが視覚で理解できちゃう分、注意がいるってことでしょう。

みなさんもこれから地図を見るときには一呼吸置いてみると見え方捉え方が変わるかもしれませんよ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA