【2022年読書レビュー】一番いい答え

まえがき

今回紹介する本

『一番いい答え』です。

本書の概要

サブタイトルは「絶対後悔しない最適解の見つけ方」です。こんな文字列だと人生を歩んでいく上で後悔しない一番いい選択肢をつどつど選べるようになるに違いない!!とは思わないでしょうか?

ところが本書はそういう趣旨では一切ございません。ここでの「答え」とは人生というスケールの大きな話ではなくて例えば問題が発生した時の解決法とか討論においていい結論を導くことだと考えてください。

そんなわけで自分は半分読んだくらいで「期待はずれだったなぁ」と気づいて一応残りも読んだので簡単に感想をご紹介します。

本書の構成
  • 漠然な考えを最適解に導く準備
  • 上質なデータで最良の答え
  • 答えに説得力を持たせるテクニック
  • 具体と抽象の行き来
  • 一番いい答えを見つけられるようになる質問の仕方
  • 相手に意見を通すテクニック

「はじめに」に書いてあるシンプルな結論

この部分が自分にとっての本書のハイライトでした。それは

最適解とは
  • 自分の意見に
  • 理由をつけて
  • 理由がわかる事実をつけたもの

です。お勤めの会社で研修を受けてたり、学生の時に研究活動などしていた場合は意識しなくてもこうなると思います。

自分の意見だけ考えてても拠り所がないので自信がない、自分の意思が絡んでない事実の列挙だけだと何が言いたいのかわからないーー3つ全部揃ってなんぼというわけです。

考え事をしていてもしっくりくる答えが見つからないという方はこの3つの要素がクリアできているかどうかチェックしてみてはどうでしょうか?もちろん、これら1つ1つのクリアは大変です。他人を気にせずに自分の意志を明確に持つことには慣れてませんし、根拠となる事実は自分がそれを知らない限り使えません。それをお忘れなく

あとがき

個人的にはディベートありきなのが気になる

著者はディベート(討論)におけるプロです。なので人生という広い範囲での1つ1つの場面で最適解を常に出す方法というよりはディベートでのアプローチをそのまま持ってきた感があります。実際、ノウハウを使える事例としてディベートが主に取り上げられているように感じます。

悪いとは言いませんがこれだと単にディベートをいかにうまくやるか見たいな内容になってしまってるのでタイトルを変えてほしいなぁと思いました。もちろんこの考え方が無駄ってわけではなく、適用できるなら日常生活でも使えばいいのですが、日常生活でする判断にいちいちデータを探している余裕なんてありません。せいぜい仕事の場面かそれこそディベートのように議題が決まっているものに限られるでしょう。

もし本書を読むことで「人生がより良くなる!」と思っているなら少々期待はずれになるだろうというのが自分の所感です。読むならその点を留意してほしいですね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA