主要な投資銘柄の相関係数2021年実績を算出してみた

この記事はこんな方向け
  • 他の人がどうやって相関係数を出しているのか知りたい
  • リスク分散のために何に投資するのがいいのか手っ取り早く知りたい

投資の3原則「長期・積立・分散」

一つのカゴに・・・

資産運用をしているならまさか知らないなんてことはないはずのこれらキーワード。

分散といえば「一つのカゴに卵を盛るな」に代表されるように投資先の地域や資産クラス(株式・債券・金原油などの現物資産・不動産etc…)に分けて投資をすることが推奨されていますよね。

ひと昔と違ってグローバルな社会になっているので、どこに投資しようがリスク(値動きの大きさ)を低減するのには寄与しないなんていう声もありますが、それでも精神衛生上は複数の商品に分けて投資した方がいいと自分は思います。

きっころ
きっころ

ちなみに自分の場合は投資しなかった地域の方がリターンが高かった場合に「機会損失した!」と思いたくないので商品の分散投資をしている側面もあります。

リスク分散と相関係数

リスク分散を第一目的にするならば「相関係数」に着目した商品選びが必要となります。

相関係数とは2つの量の関係を表す数値。-1〜1の範囲で絶対値が1に近いほど相関ありとみなす。例えば2つのデータAとBが
  • Aが2倍になったらBも2倍になる⇨AとBは正の相関あり
  • Aが10%大きくなったらBは10%小さくなる⇨AとBは負の相関あり
  • 同じAの値でもBの値がバラバラ⇨AとBは相関なし

リスク分散のためには相関係数が小さい、つまりできるだけ逆の値動きをする組み合わせであることが望ましく、予め商品ごと若しくはS&P500や日経225のようなインデックスごとの相関係数がどれだけなのか知っておくと目的に沿った投資になるってもんです。

ということで、こういう情報は少し調べれば出てくるもんではあるのですが興味本位的に自分で計算してみたっていうのが今回の記事です。

相関係数の出し方

手順は以下の通りです。これを書くにあたって他のブログ記事等もチェックしてみたので素っ頓狂なことはしていない(はず)。

相関係数を出す前提条件
  • データ期間⇨2021年1月1日〜2021年12月31日
  • 使うデータ⇨前日比の騰落率(値動きの仕方が問題なので株価や資産額の絶対値は使いません)
  • 対象商品
    • VOO⇨S&P500連動のETF
    • VTI⇨アメリカの中小型株にも投資できるETF
    • VEA⇨アメリカ以外の先進国株式を対象とするETF
    • VWO⇨新興国株を対象とするETF
    • VT⇨全世界株式に投資できるETF
    • BTC/USD⇨ビットコイン。他の比較商品がドルベースなのでUSDを採用
    • AGG⇨アメリカの優良債券に投資できるETF
    • GLD⇨文字通りゴールドに投資するETF
データはinvesting.comから取得

各商品の詳細は調べたければ各自でお願いします。

ちなみに相関係数を求めるときはCORREL関数を使えば一発です。自分で計算したい方はお試しあれ。

分散投資に有効な商品とそうでない商品

計算結果をまとめたものがこちらです。


ここから言えることは以下2点です。
  1. 株式は国を分けても相関係数が高いので、リスク分散にはならない
  2. 債券、金、ビットコインは株との相関係数が低いのでリスク分散には好適

株式は国を分けても相関係数が高いので、リスク分散にはならない

これは近頃言われている世界のグローバル化で分散する意味がないと言っているのと対応します。アメリカの企業だろうと日本やヨーロッパやアフリカでビジネス展開しているので、各地で景気後退すればその国での売上が落ちて株価が落ちて・・・となりますし、その逆も然りです。

特にVOOとVTIは中小型株が入っているかどうかの違いだけなので0.98というバカ高い相関係数も納得です。

債券、金、ビットコインは株との相関係数が低いのでリスク分散には好適

債券は株式会社にお金を渡すという点では株を買うのと一緒ですが、株式との大きな違いは最終的には返してもらうことを約束に貸しているお金であることです。個人的な感想としては2021年がたまたまで、もう少し正の相関があってしかるべきかなぁと思ってます。

ビットコインはそれ固有で4年周期の話があるのでこれも単年度では評価すべきではないかなぁと思ってます。2022年〜2023年は例年通り行けば調子が悪いサイクルに入りますし、デジタルゴールドなんて呼ばれる資産なので長期的にはゴールドと同じレベル感の資産と思って買っとくのは全然アリだと思います。

金は従来から知られているように株とは逆の値動きをしやすい資産なのでこんなもんでしょう。

リスク分散=リターン最大化であることに注意

最後に、自戒を含めて申し上げておくとリスク分散の目的は値動きの幅を抑えて平穏な気持ちで投資を続けられるようにすること(もちろん暴落した時のダメージを減らすこともありますが、売却しなきゃいいだけの話なのであまり自分は問題視してません)であり、リターンを大きくする手段ではないことです。

なので自分はゴールドには投資してませんしする予定もありません。FIREのことなら、必要なお金は予め現金化しておけばいい話ですしね。

今後も相関係数がどうなっているかは自分でウォッチしていこうと思います。興味が出た方は自分で計算してみると肌感覚的なものが磨けるのでおすすめですよ。

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