この記事のもくじ
この記事では直接的に書籍の内容に触れることはできるだけ避けたうえで、読んでその内容について思ったことなどなど紹介します。
今回紹介する本
『脱炭素社会の大本命「自家消費型太陽光発電」がやってくる! なぜ太陽光発電なのか?なぜ自家消費型なのか?が分かる一冊』です。
今年よく旅行するようになって気づいたことは、まぁ農地の空き地やら山の斜面やらにソーラーパネルの多いこと。
本書でも言及しているFIT(太陽光発電の電力を電力会社に売るときの値段が固定されている制度、利益の見通しがはっきりしているのがメリット)が10年ほど前から始まったのが大きなきっかけと思います。
今後は今後でカーボンニュートラルの流れにのって家庭の屋根にもっと多くのパネルがつくんだろうなと予想します。
書籍の構成
本書はESG投資やSDGsなど社会の大きな流れの中で「自家消費型」の太陽光発電が今後おすすめとなる理由を述べた本デす。
- 太陽光発電の歴史
- 投資対象としての有望性
- 自家消費型太陽光発電の概要
- 自家消費型太陽光発電が主流になっていく理由
- 導入までの流れ
- 会社紹介
筆者は太陽光発電にかかわるビジネスを展開している「和上ホールディングス」の経営者なので、最後にしれっと会社紹介がまじっていましたが自分は一切興味がなかったので飛ばしました。
実質5章まで読んだら読了でいいでしょう。
どうして自家消費型の太陽光発電が広まっていく?
本書の4章の内容にあたります。これまでは投資対象として太陽光発電が広まりを見せてきましたがこれからはそうではないと言います。いろいろ理由をメリット、リスクの点から述べられていましたが要は以下事項です。
- 買い取ってもらうときの価格が下落傾向
- 火力発電の燃料高騰で、電力会社から電力を使わせてもらうときの単価は上昇傾向
- つまり作った電力を安く売って高い電力を高く買って使うなら自家消費のほうがいい
ここに自分の意見を加えますと、継続的なインフラ維持整備を考えたときに日本で災害が多い点が注目されます。
もし電力を売るならパネルだけではなく送電設備も必要です。産業用として作っているところはまだしも家庭一戸一戸にそのような設備を広めるのは限度があります。
また、太陽光発電に関係なく作った電力を遠くに送るときには送電時のロスが生じます。であれば最初から作ったところで使ったほうが理にかなっているのは当然のことでしょう。
感想などなど
この本のいいと思ったところ
- 太陽光発電にかんする国内の制度を知らない人に向いている
- 海外の情勢も踏まえた視点での解説
そりゃ詳しくないのに書かれても困りますけども、太陽光発電のこと全然知らんわという方が読むにはいい本と思います。
太陽光発電の仕組みについて解説したものではなくて、太陽光発電の位置付けを解説した本であること、念押ししておきます。
本書の内容に関連して思ったこと
自家消費型、というと新しく聞こえますが要は電力の自給自足です。
大昔は食べ物は自分で狩ってもしくは栽培して食べていたり、火は自分で起こして使ったりしていたのが現代は「餅は餅屋」ということで農家や電力会社、ガス会社など専業化しています。
これは自然な結果かなと思いますが、新型コロナがきっかけになったのかそれとも昔の原始的な暮らしが結局は人間には合っているというような原点回帰が進んだからかはわかりませんが、山キャンプとか自然に触れることが再注目されている気がします。
自家消費型太陽光発電もその1つであって、自分で使う分は自分でなんとかするという本来そうであった形に戻る一例ではないでしょうか?
この本のおすすめ度と読むのがおすすめな人
おすすめ度は10点満点中7点です。
この本は次のような方が読むのにぴったりと思います。
- ビジネスとしての太陽光発電を検討している方
- 興味本位で自宅で太陽光発電を導入してみたいと思っていた方
ちょっと評価低いのは最後に会社PRがあったから。
自己紹介ベースで「自分はこういう会社を経営してて太陽光発電に深く関わっているので」これくらいで止めておけばいいものを1章使うのは過剰に思いました。