【2022年読書レビュー】呼吸の科学 いのちを支える驚きのメカニズム

この記事では直接的に書籍の内容に触れることはできるだけ避けたうえで、読んでその内容について思ったことなどなど紹介します。

今回紹介する本

『呼吸の科学 いのちを支える驚きのメカニズム』です。

全集中 〜〜の呼吸

とは直接の関係はありませんよ!

呼吸、しないで生きてる方はいませんよね?「息を止めろ!」と言われたら数十秒はできるかもしれないけど、それ以上は苦しくなって息をせずにはいられません。

でも、何故呼吸をしないといけないか分かっているでしょうか?

「酸素が必要だから?」「そういうもんだから?」・・・

生きるためには必須だけど、自分でもコントロールできてしまう呼吸。この呼吸の仕組みや体、こころとの関係など呼吸のイロハを学べるのが本書となります。

本書の構成
  • 呼吸して起こる体での反応
  • 体に酸素が必要な理由
  • 運動時の呼吸の変化
  • スポーツと呼吸の関係
  • 呼吸と身体の関係

呼吸法のコントロールに関するQ&A

本書の主旨は呼吸が必要な理由、呼吸のメカニズム(安静時、運動時)を紐解くことにありますが、一読したところ高校物理や化学をある程度理解していないとちんぷんかんぷんになりそうなのでここでは割愛します。

代わりに紹介するのは3章で最後に触れていたおはなし。呼吸は自分の意識で“ある程度(ここ重要!)”コントロールできることを受けて運動をしている人が思いそうな

運動が楽になるような呼吸法はないものか?

自分も学生時代、部活をしていた時は試行錯誤していたこの疑問について以下4つの観点で解説されています。

  • たくさん呼吸するようにすれば酸素をたくさん吸えて有効?
  • 速くて浅い呼吸と遅くて深い呼吸のどちらがいい?
  • 鼻呼吸と口呼吸のどちらがいい?
  • 運動と呼吸のリズムは合わせた方がいい?

たくさん呼吸するようにすれば酸素をたくさん吸えて有効?

自分は特に意識していなかったポイントです。

これに対する答えはこうです。

  • 有効ではない

本書の前半部分で解説されていますが呼吸は自分でコントロールするだけでなく自動的に調節する機能があります。無理やり呼吸を早くしてみたり遅くしてみたりしても結局「これが落ち着くな」というのに呼吸のリズムが変わった経験はないでしょうか?それです。

なので自分で無理やり呼吸をたくさんしても体は「そんなにせんでもええよ〜」という反応になってゆっくりになるわけですね。

速くて浅い呼吸と遅くて深い呼吸のどちらがいい?

自分は深くする余裕がなかったので結果的に速く浅くでしていました。

これについてはこうです。

  • キツく感じるまでは深い呼吸がいい

このほうが効率的だからです。ただし強度が上がると勝手に呼吸は速くなるのでこの限りではありません。

鼻呼吸と口呼吸のどちらがいい?

自分はキツく感じるまでは鼻呼吸で頑張っていました(そのほうがストイックな気がしてただけ)。

これに対してはこうです。

  • キツく感じるまでは鼻呼吸

これは呼吸の効率、というよりは一般的に鼻呼吸が口呼吸よりも望ましいとされているのと同じく

  • 空気の湿度調整を粘膜を通すことでできる
  • 細菌・ウイルスを捕捉できる

という理由からです。

前問と合わせるとキツく感じるまでは「鼻でゆっくり深く呼吸」が良さそうです。

運動と呼吸のリズムは合わせた方がいい?

自分はよく心がけていましたね。走る店舗に合わせて「スースーハーハー」とやってみたり「スーー、ハーー」とやってみたり。

これに対する著者の答えはこうです。

  • キツい運動では有効

実際には合わせた方がいいというよりはきつい運動の時には勝手に運動のリズムに呼吸が追従する(エントレイメントというそうです)ようですが。

最終的な結論は出ていないようですが運動のリズムを利用することで呼吸にかかる負荷が低減されているのでは?という仮説があります。

呼吸を利用して心身健康に

この本のいいと思ったところ

  1. 生理学的な現象として呼吸はなんぞやを理解できる
  2. 健康になるため、運動を効率よく行うための呼吸法が紹介されている

ブルーバックスらしく専門的なところはガッツリ深入りしているので読む人を選びそうですが、それ以外のところ、例えばコラムだけでも日常生活に取り入れられる独立した情報として成立していますので呼吸のことはよくわからなくても十分有益になると思います。

本書の内容に関連して思ったこと

何かある時には「深呼吸深呼吸!」とか「ゆっくり吸って〜吐いて〜」というように単に生きるためだけでなくある状況を解決したり対処したりするために呼吸にはよくお世話になっているのに普段は無意識になっていないでしょうか?

かくいう自分も深呼吸すればこういういいことがあるとわかっていても24時間365日それを意識しているわけもなく。本書を読んでいるときは流石に意識していましたが、いかにそれ以外で適当に呼吸をしていたかに気づきました。

呼吸は大事!で終わるのではなくて、体にいいようにするには1日の中で定期的に「意識した呼吸」をする必要があるのかな〜と思いました。

この本のおすすめ度と読むのがおすすめな人

おすすめ度は10点満点中9点です。

この本は次のような方におすすめです。呼吸は生きるためだけではなくて、生きている最中のパフォーマンスの良し悪しを決めるぐらいの影響があることを本書を通じて知ることができます。「今まで何の気なしに息をしていた!」と思った方は本書で良さげな呼吸法を試してみてはどうでしょう。

  • 呼吸について本格的に勉強したい
  • 生活の質を上げるための呼吸法を知りたい

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