この記事のもくじ
今回紹介する本
『小学生でも解ける東大入試問題』です。
諸外国の大学と比べるとその立ち位置が落ちてきつつあるものの、いまだ日本の最高学府として君臨するのが東京大学です。であるからには、そこに入るためには超難しい入試問題を解けないといけない!と思っているのが普通でしょう。
なのに「小学生でも解ける」とは何事かとなります。タイトルだけだと入試問題紹介するだけかいと思いそうですがもちろんそんなことはありません。それだったら自分で過去問題調べたらしまいですからね。
本書から学べることは「学びとはなんぞや」です。暗記したもの、知っているもの勝ちだと思っているのが日本の学校教育のよくある状態。でも、それは最高学府の東大では要求されない(正確にはそれができるからといって入学できるわけではない)ことが本書で紹介されている入試問題を通じて感じ取れることでしょう。
- 東大の入試問題を小学生が解ける理由
- 数学
- 理科
- 社会
- 英語
- 国語
大事なのはシンプルな思考と知識の連結
偏差値で一括りにするのは良くありませんが、日本の大学はこんな感じでランクづけされています。若干私見が混じってるかもなのと全ての大学を出しているわけではない点はご了承を。。
- 東大
- 京大
- 東京工業大学・一橋大学
- 旧帝大
- 難関大学(横浜国立大学・神戸大学・広島大学)
- ちょいと有名な地方大学(千葉大学・金沢大学)
- その他
本書では東大の問題を解く上での鍵は見出しの通りシンプルに考えることだといっています。知識の連結というのは東大の入学試験の基本方針「持っている知識を関連づけて解を導く能力の高さを重視します」から自分が勝手に引っ張ってきたものです。
多少なりとも勉強したことのある人なら、ランクが上の大学ほど複雑な条件とか設定がされた問題が出てくると思うかもしれませんが実は東大の問題に限ってめっちゃシンプルというのは納得です。自分もかつては受験生として少々勉強していたときに半分遊びで上述のような大学の赤本を眺めてましたが、その通りなんです。
ザクっとどんな感じの問題なのかというと以下の通りだと思います。
- 東大:設定はシンプルだけどめっちゃ深く考えないとダメ
- 京大:気をてらったような明らかに癖のある問題
- 東京工業大学・一橋大学・旧帝大:王道の中の難しい問題
- その他:王道な枠の問題、難易度は差異あり
例えば数学の話だとして、言い方がすっごい悪いんですが東大以外のところはとりあえず公式知ってればなんとかなる(なんなら難関大学以下は公式を文字通り覚えておいたら無問題なレベル)のですがそれより上になるとこんな感じ。
※自分がわかって書いてるわけではなくて、周囲からの話等々を受けてのものです。
- 京大・旧帝大・難関大:公式にひっかけをつけたり少し工夫がいる
例)数学の世界では角度を表す文字列としてθを使いますが、わざとθ以外の文字列を使って問題中で角度表記を
したり、問題文で出てくる数字情報は単位変換しないとダメだったり - 東大:そもそも自分でなぜその公式が成り立つのかを説明できないとNGで、まさにそういう問題が出る
例)sin2θ+cos2θ=1という公式がありますが、別にこれ暗記しなくてもあるものをイメージできれば導出できる
その代わり問題設定はシンプル
もちろん全ての問題を小学生が解けるわけがないですが本書が言いたいことはそんなことではなくて「受け身の姿勢で勉強しているような人はいくら知識を詰め込んでいても東大の入試問題のように知識を活用することや自分で考えることができない人は評価されない」ことだと自分は解釈しました。
実際、できない人は入学できないのですから。
これからはNOT暗記、BUT活用
昔なら自分の脳みそに入っていることが価値だったとしても現代はそのウェイトが少なくなっています。パソコンやスマホの普及で知らなくてもなんとでもなることが増えているからです。
極論ですが、昔なら英単語・文法を自分で知らないと英語の読み書きコミュニケーションできなかったのが、今やスマホさえ持っておけばグーグル先生がうまいこと翻訳してくれて万事解決です。
そうなると人間に求められるのは暗記していることではなくて情報を活用する能力と言えます。グーグル先生がいることを知っているだけなのとGoogle翻訳の活かし方を知っている人では後者の方がポイントは高いですよね。従来の学校の勉強では厳しいだろうなと感じるこんにちです。