この記事のもくじ
- つみたてNISAは知ってるけど、どんな商品を買えるのか知らない
はじめに
つみたてNISAのおさらい
ここでも何度か触れていますが、一般ピーポーの長期的な資産形成をお助けする制度としてNISAというものがあります。
NISAには通称一般NISAとつみたてNISAの2種類が用意されており、一般的にはつみたてNISAがお勧めされています。つみたてNISAの概要は以下を参照ください。
- 定義⇨日本版の少額投資非課税制度(Nippon Individual Savings Account、略してNISA)
- 1年間に投資(新規購入)できる金額⇨40万円(“一般”NISAは120万円)
- 非課税で運用できる期間⇨最大20年間(途中で売ってもいいけど売ったらそれっきり、“一般”NISAは5年間)
- 新規購入できる期間:2042年まで
- 投資できる商品⇨金融庁が認めた商品
つみたてNISAはぼったくり商品の回避にもなる・・・
もう資産運用に手を出していれば1+1=2のレベルの常識ではありますがリターンを得るための1条件にできるだけ手数料が安い商品を勧められます。それは名目上のリターンが5%あるとして手数料が1%の商品と0.1%の商品では10年20年と運用を続けた時に大きな違いとなるからです。
そういった背景にあってつみたてNISAで買える商品は適格のある商品だけがラインナップされています。というのも上記特徴のうち
- 投資できる商品⇨金融庁が認めた商品
この条件の1つは保有時の手数料(信託報酬)が一定以下であることに加えて購入売却時の手数料がかからないことです。なので手数料でぼったくっている商品をつみたてNISAのハコモノの中では消費者に買わせられないのです。
その結果、2021年10月時点で金融庁に届け出られた=つみたてNISAで投資家に売ってもいい商品は201個だけです(参照:金融庁 つみたてNISAの対象商品)。
ちなみに、つみたてNISAで扱われている株式メイン&バランスファンドの括りでいうと楽天証券では2021年1月時点でこれだけの商品数があります。いかにつみたてNISAで篩にかけられているかが窺い知れます。
とはいえ、つみたてNISAの商品として認められたものの中で手数料が安いものを売っているのか高いものを売っているのか、そこの把握はきちんとしておくべきかと思いこの記事を書くこととしました。
先日、銀行でつみたてNISAを買う場合の比較をしましたが今回はネット証券を対象に比較をしてみます。
前提条件
ベースは以下記事と同じです。参照するのがiDeCoかつみたてNISAかって感じです。
以下、2022年1月時点の情報です。
会社ごとの商品比較
商品数
まずは商品数から見て見ましょう。201個のうち銀行の場合は10個前後しかラインアップがないという悲惨っぷりでしたがネット証券はどうでしょう。
SBI | 楽天 | マネックス | 松井 | auカブコム | |
国内株式 | 38 | 40 | 35 | 38 | 38 |
外国株式 | 58 | 58 | 51 | 52 | 48 |
バランスファンド | 80 | 81 | 66 | 82 | 75 |
合計 | 176 | 179 | 152 | 172 | 163 |
銀行と雲泥の違い・・・!資産クラスも充実しているので、やっぱりつみたてNISAもネット証券ですね!
なのでベストな商品の比較ではなくて人気とされている商品があるかどうかで5つのネット証券を比較することにします。
国内株式(TOPIX)
- 商品名:eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)
- 委託会社:三菱UFJ国際投信
- 運用資産額(小数点切り捨て):446億円
- 経費率(税込):0.154%以内
- 商品名:ニッセイTOPIXインデックスファンド
- 委託会社:ニッセイアセットマネジメント株式会社
- 運用資産額:462億円
- 経費率(税込):0.154%以内
SBI | 楽天 | マネックス | 松井 | auカブコム | |
eMAXIS Slim国内株式(TOPIX) | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
ニッセイTOPIXインデックスファンド | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
国内株式(日経平均)
- 商品名:eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)
- 委託会社:三菱UFJ国際投信
- 運用資産額(小数点切り捨て):177億円
- 経費率(税込):0.154%以内
- 商品名:ニッセイ日経平均インデックスファンド
- 委託会社:ニッセイアセットマネジメント株式会社
- 運用資産額:301億円
- 経費率(税込):0.154%以内
SBI | 楽天 | マネックス | 松井 | auカブコム | |
eMAXIS Slim 国内株式(日経平均) | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
ニッセイ日経平均インデックスファンド | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
外国株式(米国)
- 商品名:eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
- 委託会社:三菱UFJ国際投信
- 運用資産額(小数点切り捨て):9,567億円
- 経費率(税込):0.0968%以内
- 商品名:SBI-SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
- 委託会社:SBIアセットマネジメント
- 運用資産額:515億円
- 経費率(税込)0.0938:%以内
SBI | 楽天 | マネックス | 松井 | auカブコム | |
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
SBI-SBI・V・S&P500インデックス・ファンド | ◯ | × | ◯ | × | ◯ |
外国株式(先進国)
- 商品名:eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
- 委託会社:三菱UFJ国際投信
- 運用資産額(小数点切り捨て):2,952億円
- 経費率(税込):0.1023%以内
- 商品名:SBI・先進国株式インデックス・ファンド
- 委託会社:SBIアセットマネジメント
- 運用資産額:892億円
- 経費率(税込):0.1022%以内
SBI | 楽天 | マネックス | 松井 | auカブコム | |
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
SBI・先進国株式インデックス・ファンド | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
外国株式(新興国)
- 商品名:eMAXIS Slim 新興国株式インデックス
- 委託会社:三菱UFJ国際投信
- 運用資産額(小数点切り捨て):798億円
- 経費率(税込):0.187%以内
- 商品名:SBI-SBI・新興国株式インデックス・ファンド
- 委託会社:SBIアセットマネジメント
- 運用資産額:131億円
- 経費率(税込):0.176%以内
SBI | 楽天 | マネックス | 松井 | auカブコム | |
eMAXIS Slim 新興国株式インデックス | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
SBI-SBI・新興国株式インデックス・ファンド | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
外国株式(全世界)
- 商品名:eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
- 委託会社:三菱UFJ国際投信
- 運用資産額(小数点切り捨て):4,089億円
- 経費率(税込):0.1144%以内
- 商品名:SBI-SBI・全世界株式インデックス・ファンド
- 委託会社:SBIアセットマネジメント
- 運用資産額:476億円
- 経費率(税込):0.1102%以内
SBI | 楽天 | マネックス | 松井 | auカブコム | |
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
SBI-SBI・全世界株式インデックス・ファンド | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
バランスファンド(8資産均等型)
- 商品名:eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
- 委託会社:三菱UFJ国際投信
- 運用資産額(小数点切り捨て):1,309億円
- 経費率(税込):0.154%以内
- 商品名:たわらノーロード バランス(8資産均等型)
- 委託会社:ニッセイアセットマネジメント株式会社
- 運用資産額:267億円
- 経費率(税込):0.154%以内
SBI | 楽天 | マネックス | 松井 | auカブコム | |
eMAXIS Slim バランス(8資産均等型) | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
たわらノーロード バランス(8資産均等型) | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
やっぱりNISAもネット証券!
以上まとめるとこうです。
SBI | 楽天 | マネックス | 松井 | auカブコム | |
国内株式(TOPIX) | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
国内株式(日経平均) | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
外国株式(米国) | ◎ | ◯ | ◎ | ◯ | ◎ |
外国株式(先進国) | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
外国株式(新興国) | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
外国株式(全世界) | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
バランスファンド(8資産均等型) | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
商品についてはSBI-V・S&P500を買えるか買えないかの違いしかないので微差もいいとこです。強いていうならauカブコム証券は商品検索がしづらいので、その点ではおすすめできない部類です。
ただ言えることは1つ。
大手ネット証券ならどこを選んでも銀行でやるより何百倍も何千倍もマシってこと。
あとは他に使っているサービスとの連携に応じて口座を選択すればOKだと個人的には思います。まだ投資を始めていないけど始めようという方、やんごとなき理由がない限りはネット証券一択です!