この記事のもくじ
この記事では直接的に書籍の内容に触れることはできるだけ避けたうえで、読んでその内容について思ったことなどなど紹介します。
今回紹介する本
『免疫力を強くする 最新科学が語るワクチンと免疫のしくみ』です。
コロナ禍で注目を集めた、新しく知った言葉はたくさんあります。
- イベルメクチン
- ソーシャルディスタンス
- 3密
- ファイザー、モデルナ
その中で注目された言葉と言えば免疫ですよね。バカの一つ覚え的に「ワクチンなんか危ない!免疫をつけておけば大丈夫だ」「免疫力が上がる食事をしよう」このようなはなしをネット界隈ではよく耳にしました。
まず出落ち的に言ってしまうと免疫やワクチンに関する本はこれ以外にもいくつか読んだのですが共通しているのは開口一番「免疫なるものはこれという存在があるものではない」という意見です。
免疫ってばいきんと戦うための体内の仕組みのはなしなので上記意見は「免疫がしっかり働くような生活をしよう」と言うのがあるべき姿です。
という脱線はおいといて。
本書はコロナ禍になったから出版されたものではなく、近年の医学では免疫療法に代表されるように免疫に注目した技術が広まっていることを受けて、
そもそも免疫って何?ワクチンでなんで有効なの?
このような質問に答えられる充実の専門書です。なお、刊行後にコロナが広まったためそれを受けた若干の加筆がなされています。
本書の構成は以下の通りです。
- 病原体の侵入拡大を防ぐ人体の仕組み
- ワクチンって何?
- ワクチンについて知っておきたいこと
- 感染症別のワクチン注意点
- 免疫記憶ーおたふく風邪は一生で一回??
- がん治療と免疫
- 夢の新型ワクチンーmRNAワクチンもその一つです。
- 免疫に関する嘘ほんと
勘違いしがちな免疫とワクチンのあれこれ
本書を読んでそうだったんだと思うこと多数でした。いくつか例を紹介します。
- ワクチンの有効率=接種しないで感染した人のうち、もし接種していれば感染しなかった人の数
- 風邪をひいた時に熱が出るのは温度が高い方が白血球の働きが活発になるから
- 抗菌薬は人工由来、抗生物質は自然由来
- おたふく風邪にもワクチンはあるが、日本では定期接種の対象じゃないので他国よりも罹患率が高い
- リンパ球やNK(ナチュラルキラー)細胞の数だけで免疫力を語るのは木を見て森を見ず
特に目から鱗はおたふく風邪にワクチンがあること。てっきり一生に一回はなるからどうせなるなら早めになった方がいいという理解でした。
ちなみに自分は小学校上がるまでにかかりましたが、正直症状は覚えてません。記憶に残る年齢になるまえに罹っといてよかった・・・
- 接種年齢:1歳以上
- 費用:5,000円程度
専門知識は「餅は餅屋」理論でちゃんと有識者から情報をもらうべきものだとわかりました。
何事もバランス
この本のいいと思ったところ
- ブルーバックスなのに読みやすい
- 免疫・ワクチンにおける誤解と無知を解消できる
ブルーバックスで発行されるものは大体が特定の分野に深掘りした本であるため、難しいのがお決まりですが、どういうわけか本書はスルスル読み進められました。自分が興味持って買ったからかもしれませんが。
本書の内容に関連して思ったこと
免疫ってあればあるほどいいと思っていました。が、免疫が強すぎることでの弊害がアレルギー反応であることをはじめて知りました。
本書の「はじめに」の最後の一文は「何事もバランスが大事」なのですが、なるほどそういうことかと納得しました。
てことは健康にストイックになりすぎてもよくないからゆる〜く生活した方がいいですね!ということは流石にないか・・・。
この本のおすすめ度と読むのがおすすめな人
おすすめ度は10点満点中10点です。
この本は次のような方が読むのにぴったりと思います。
- ワクチンと免疫について正しい知識を得たい
- 知識を習得して正しくニュースや各種媒体の情報を読み取れるようになりたい
免疫とかワクチンってすごい難しい話だと思っていましたがいい意味で期待を裏切られました。騙されたと思って読む価値あります。