「18きっぷ旅行」も今しかできないことの1つ

年に3回、この季節がやってきました

青春18きっぷ

この存在を知らない方はいないでしょう。

青春18きっぷのポイント
  • JR線全線の普通列車が乗り放題※北海道新幹線の木古内ー奥津軽いまべつはオプション券を買えば新幹線乗車可能
  • 1人で使っても複数人で使ってもOK
  • 料金は12,050円で5回分使える(1人が5回使っても、5人で1回使うのもOK)

きっぷの料金は消費税の引き上げなどに合わせて少しずつ上がっていますが、それでも1日あたり2,410円。大体2〜3時間乗車すれば元は取れます。

18きっぷを購入・利用できるのは春・夏・冬の3回。自分は学生時代から帰省に旅行にお世話になってます。昨年の47都道府県制覇旅行でも活用しました。

18きっぷは名称の変更こそあれ1982年、なんと国鉄時代から続いている歴史のあるきっぷでもあるんです。


ここでガラッと変わりますが、「今やりたいことは今やった方がいい」とはよく言われます。やりたいことは

  • 今やらないと将来高い可能性でできなくなるかもしれないこと
    例:親を旅行に連れて行く(親が死んでしまったらいくらお金と時間を積んでも無理)
  • 別に今じゃなくてもやろうと思えばできること
    例:日本一周旅行に行く(健康でさえいれば今である必要はない)

に分別されます。

18きっぷを冒頭で出したのは「鈍行列車でのんびり旅行」なんてのを考えてる場合今やらないと将来できなくなる可能性があることだからすぐにやった方がいい!とふと思ったからです。

ここでの「できなくなる」とは全くできなくなることではなくて「今と同じような楽しみ方はできなくなる=制約が生じる」ことを指しています。

18きっぱーの制約を生む事情

自分は2つ、今と比較した時に将来の18きっぷ旅行は制約が増える事情があると思っています。別に自分じゃなくても報道とか見てればわかる話ですが。

新幹線開業による3セク化

18きっぷで乗れるのはJR線だけなので、そもそも線路がなくなったり、線路が残ってても運営しているのがJRではなくなったら18きっぷでは乗れません。

JRでなくなることが確実に言える要因がこれです。

まず、新幹線開業で過去にはJR線だったけどJRではなくなった路線は以下の通りです。

過去にJR線として存在していた区間
  • 江差線:木古内〜五稜郭
  • 東北本線:盛岡〜青森
  • 信越本線:軽井沢〜篠ノ井、長野〜直江津
    軽井沢〜横川(碓氷峠として有名)は廃線
  • 北陸本線:直江津〜金沢
  • 鹿児島本線:八代〜川内(”かわうち”と書いて”せんだい”)

これに加えて2024年には北陸本線の金沢〜敦賀間が3セク化されるのが決まっていて、2031年ごろには北海道新幹線の新函館北斗〜札幌開業によりどうなるかが話し合われています。北海道の場合は3セク化どころか鉄道を残すかどうか問題にまでなっています。下の画像は北海道 函館線(函館・小樽間)について(北海道新幹線並行在来線対策協議会)から引用したものですが、函館本線のうちの長万部〜小樽は廃線してバス転換することが決まっています。

長万部以南の方は何も決まっていないのですがJRのままってことはあり得ないので18きっぷだけで日本列島を縦断することは不可能になります。

赤字路線の廃線議論

2022年の4月にJR西日本からローカル線に関する課題認識と情報開示についてと題した資料が公表されています。

JR西日本は廃線ありきではないと言ってますが、今回の開示対象になっている2000人/日未満というのは国鉄時代の基準なら文句なしで廃線対象になってます。

ついついJRが国鉄の続きだと思っている人にとっては「赤字だからって廃線はおかしい」とか「黒字路線から補填すればいいじゃん」と言いますが、今のJRは民間企業で株主がいます。普通の企業が持ってる意味のない赤字事業なら切り捨てるのと一緒で、廃線することに文句の言いようがありません。

もし2000人/日未満の路線が全て消えたらどうなるか、この図を見れば一目瞭然です。18きっぷを使える場所もぐっと減りますね。

先ほどの北海道の話もそうですし、この発表を受けて他のJRも不採算路線の公表を検討しているようなのでこの範囲はさらに広がるかもしれません。そうなったら18きっぷを買う旨味があるとは言えなくなります。

お金と時間があってもできなくなることは他にもあるのでは・・・?

今回こんなのを書いたのは、

「そろそろ18きっぷの季節だなぁ」⇨「そういえばJR各社が赤字路線のことをよく報道してるな」⇨「なんとなく鈍行旅行ってずっといいと思ってるけど、これ将来的にはできなくなるのでは?」と思ったからです。

別に18きっぷに限らず冒頭でも一例出しましたけど、お金がいくらあっても、24時間365日を自由に使える状態だとしても外部環境次第では無理なもんは無理です。

今回出した18きっぷの事例でいうとこの夏で行かなくてもすぐ廃線になってる場所はないでしょうから次の冬、春に計画しても多分問題ないでしょう。が、1年後は?5年後は?10年後は?・・・というとだんだん将来があやふやっぽいことに気づきます。5年後、10年後に引っ張ったとしてその時にお金と時間を用意できるかも問題になります。

というのを考慮に入れるとあえて先延ばししないといけない理由がないなら、やっぱり今できることは今やっておきたいと思うものです。

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