【2023年読書レビュー043】高学歴親という病

学歴よりもこだわっておきたいことがわかる本

『高学歴親という病』を紹介します。


本書では少子化に伴って、個々人にとって子育ての経験が1回きり(多くて2回?)であることから、子供の教育に熱心になりすぎてかえって・・・という状況になっているとのことですが、これって昔からあるような気がしています。地域によって何がいいとするかは違うと思いますが

  • 中高一貫の学校に通わせたい
  • 地元でよく知られている名門校に通わせたい
  • そのまま安定した大企業か公務員になってほしい

親というものはどうしてもこういう期待をしてしまうものです。そりゃ、お金も時間もかけて大事に育てているわけですから当然と言えば当然の気持ちだとは思います。特に自分自身が厳しい教育を受けていたり、偏差値の高い学校に通っていた場合は尚更。

本書ではそういう親御さんがどんな悩みを抱えているのか、どんな教育ならいいのかがわかります。現在子育てをしている方には非常に参考になります。

高学歴親の子育て3大リスク

本書の第1章には高学歴親の子育てリスクとして「干渉・矛盾・溺愛」の3つがあります。具体的にはどういうことでしょうか。

干渉

おもちゃで遊ぶ時、公園にいる時、友達と遊ぶ時、ご飯を食べる時。いろんな時に親は子供に「干渉」できるチャンスがあります。

  • ここで遊ぶときはこうしないといけない
  • 友達は誰々くんとは遊んでもいいけど、誰々くんはだめ
  • 食事は自分が食べさせる

こんな感じでゴリゴリに干渉を繰り返した先にあるのは自ら考える力、主体性、課題解決力がない人間の誕生です。あえて自由に放牧させておいて

  • 遊具で遊んでいる時に怪我をした(程度によると思いますが・・・)
  • 器を持たずにスプーンで飲もうとしてスープがこぼれて火傷をした

このような経験を踏まえて「こういうときはこういうことを注意しないといけない」ことを子供ながらに自分で気づいて自分で注意できるようになります。親に言われなくても。なんなら親に言われるよりも痛い目にあったという実績があるのでちゃんとするもんです。

まあ、最低限は干渉というかサポートは必要だと思いますけど、それが行き過ぎると干渉ということですね。

矛盾

子供は親の背中を見て育つという言葉があります。

だからこそ、親からわあわあ言われる子供からしたら「普段自分に言ってることと自分でやってることが違うじゃないか」ということがあれば説得力がなくなってしまうわけです。子供に対してかけている言葉と外向け(学校とか病院とか)で言っている言葉が違っている場合も然りです。

親というのは難しいですね。ただでさえ、周りのいろんな目がある中で一番近い存在である子供から見ても納得感のある行動、言動をとっていないといけないのだから。

溺愛

高学歴親でなくても、溺愛している人は多んじゃないでしょうか?溺愛があるゆえの干渉・矛盾に繋がっていると思います(って言ったら高学歴かどうかってやっぱり関係ないのかなと。割合多いのかもしれないけれど)。

  • 経済的な面で困らせたくない
  • 自分の時に後悔したことと同じ後悔をさせたくない
  • ・・・

きっとこんな思いから習い事をたくさんやらせたり、塾にも通わせたり、それとなーく進学先について口を出したり(これは干渉ですね)といった行動になるのでしょうが、それが本当に子供のためになっているのかどうかは冷静に考えないといけないのでしょう。本質的にどんなことが子供に備わっていればいいのか、これって自分の人生の中でも朧げにわかっていることかもしれませんがそれをそのまま子供に伝えるかどうかと言ったら、それよりも学歴を気にしたり世間体を気にしてしまうのが人間。子育ての難しさが如実にわかります。


ちなみに自分は最低限の教育(ありがとうとごめんなさいはちゃんと言えること、箸の持ち方に気をつけること、大学は留学みたいな事情を除いて留年しないこと、学校の宿題はちゃんと出すこと)はされてきましたが、それ以外は完全に自由でした。習い事をするかしないか、勉強を頑張るか頑張らないか、どこの高校・大学に行くか。

その結果、自分には兄弟姉妹(男女限定しないためにこう表現しました)がいますが、勉強とか遊びの面においては完全に両極端(側から見たら足して2で割ったらちょうどいい感じ)になりました。でも最低限の教育というか教えのおかげで、そんなに外れてはいけないレールは外さずに生きていけていると思っています。両親に感謝ですね。

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